[北京総局発]上海で行われた「21世紀の社会主義インターナショナル」会合。清華人民共和国、ソビエト主権共和国連邦、メキシコ社会主義共和国連邦の各共産党代表が参加するこの会合は何だったのだろうか。
社会主義運動に詳しい東邦大学の池内教授は、清華共産党は社会主義インターナショナルに加盟してはおらず、そもそも社会主義インターナショナル自体がソ連圏への対抗であるとした。
そして「この組織はいわゆる"社会主義インターナショナル"とは一切の関係のない、華国版インターナショナルだ」とし「社会主義インターナショナルとの違いは、国際党組織としての面を推しつつも、ある程度国家的で、それでいてマルクス・レーニン主義や共産主義的な要素を多分に含むことだ」とした。
また華国政治に詳しい、城北大学の黒井氏は「清華共産党は、既存の社会民主主義に挑戦し、あくまでも清華共産党のやり方が潮流であるということをアピールしたいのではないか」と指摘する。
事実として華国政府は、以前よりこの会合を「21世紀の社会主義インターナショナル」とし、従来の社会主義インターナショナルとの対抗として位置つけていることを示唆する言動を多く示している。
また今回の会合も、会合自体より清華共産党の博物館への訪問や華国の社会主義理論の研究報告など、華国色の強いものとなった。
いまだ実態の掴めぬ社会主義インターナショナル。果たして新たな社会主義潮流になるのか注目を集まる。[北京総局 熊木]
0コメント