[独自]インドネシアで再燃する"ロームシャ"

 インドネシア議会で22日、同国の野党「社会連帯党」のチン・タン委員長が、日本統治時代に強制連行された労働者"ロームシャ"について言及する一幕があった。
 "ロームシャ"とは、日本語の労務者が転じた語でインドネシアでは日本占領下で強制労働に従事した人々のことを指す。
 東南アジア地域は韓国とは異なり、あくまでも間接的な統治になっていたことから強制連行が出来ず、現地役人を通じて圧力によって実質的な徴用をおこなっていた背景がある。これにより"ロームシャ"の動員数については200万〜400万と具体的な推定が出来ておらず、また圧力や忖度による徴用が相次いでいたために、日本による賠償も殆ど行われていない。徴用工のように大きな政治問題に扱われることも少なかったことから、日本国内での知名度も低い。
 一方インドネシア国内では教科書にも記載されている問題の一つで、現地メディアは「"インドネシア抗日労働者・女性連絡委員会"と名乗る素性不明の団体が反日デモを行った」と"ロームシャ"をめぐる政治運動が今もあったことを報告している。
 なお、チン委員長はインドネシア議会の演説で「ロームシャ・慰安婦問題に至っては謝罪も賠償も一切していない。許されない暴挙だ」「首相は対米追従姿勢の中で悪事を詫びない日本に媚びを売っている。その様な”ジェノサイド”に近い大悪事を無かったことにして、肯定するようにして、媚びを売っている。国民はそう思っている。そう思われたくないなら謝罪と賠償を日本に求めるべきだ」と、政権批判の要素としてこの問題を取り上げている。

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